デジタル映像技法IIの第3回です。

本日はトラッキングTrackingの後半戦、3DトAラッキング3DTrackingを行っていきます。

その前に前回やった2Dトラッキング 2DTrackingの補足としてマスクトラッカーを紹介します。

マスクトラッカー

マスクトラッカーはマスクパスで描かれた映像上のパスに対して行われ、マスクしたい物体をパスとしてトラック(追跡)します。前回教えたマスクパスを手動でキーフレームを打っていくよりも自動化することができます。ただし全てに万能ではないので、手動で修正する必要もあるので注意してください。

マスクを選択して”右マウスボタン”で「マスクをトラック」
トラッカーウィンドウがマスクトラッカーに変わります

3Dトラッキング 3DTracking

3Dトラッキング 3DTrackingはAfterEffectsがCCになって導入された新しい機能のひとつです。

3Dトラッキングというのは、別名“マッチムーブ” Match Moveと呼ばれる3次元のカメラ情報を解析する機能のことです。

“マッチムーブ” Match Move ソフト “Boujou”

“マッチムーブ” Match Moveは2000年ごろから盛んに使われ始めました。特に“Boujou”、PFTrackと呼ばれるソフトウェアが有名です。

“Boujou”によって映画の表現方法は大きく変わりました。今や”マッチムーブ” Match Moveは映画やCMには欠かせないVFXの重要な要素です。

 

AfterEffectsにおける3Dトラッキング3DTrackingは、”Boujou”や”PFTrack”ほど高機能ではなく簡易的なレベルです。

なるべく抽出しやすいサンプリングポイントを配置しておく必要があります。

でも”マッチムーブ” Match Moveの作業の流れやワークフローを理解するには最適なツールです。

また、AfterEffectsがCINEMA4Dとの連携が可能になり、CINEMA4D経由でMAYAや3dsMAXと3DCGデータを行き来することが出来ます。

このことは実写合成に関わらず、3DCGと合成ソフトの3DCameraでの連携を意味します。3Dとラッキング 3DTracking = マッチムーブ Match Move

を正しく理解して役立ててください。

3Dトラッキング3DTrackingは今まで学んだ2DTrackingとは違い3Dカメラデータを解析します。

ですので映像の中のトラッキングポイントの動きは存在しません。

トラッキングポイントは固定された3次元情報を持っていて映像中はカメラが動いていることになります。

ですので”マッチムーブ” Match Moveとはカメラの”マッチムーブ” Match Moveを指します。

 

まずはAfterEffectsでの3DTracking作業のワークフロー(流れ)を見てみましょう。

1 フッテージの選択

素材を選択してアニメーション/ 「3Dカメラトラック」を選択します。

2 トラッカーウィンドウから“3Dカメラ”ボタンを押すと自動的に”バックグラウンドで分析中”、”カメラを解決中”という表示が出ます。

エフェクトウィンドウには「カメラトラッカー」というエフェクトが表示されます。パラメータを調整することが可能ですが、バックグラウンドでの解析処理は自動で行われます。

3 解析が終わると映像に3Dの”サンプリングポイント”がカラフルな色で表示されます。”サンプリングポイント”は自動的に映像から抽出されるので2Dトラッキングの時のようにトラッキングマーカーを置かなくても構いません。ですが、映像によっては意図的にトラッキングマーカーを配置しないと3Dトラッキングが上手く行われない場合もあるので注意が必要です。

※3Dトラッキングが上手く行われない場合
画面内に固定したものがない場合 例)森林の中、海面、空

4 トラッキングポイントから任意の3点あるいは4点を選択し、3Dカメラテキストレイヤーヌルオブジェクト平面レイヤーを作成する。

5 各レイヤーを調整したり、ヌルオブジェクトに必要なレイヤーを”親子付け”する

実際の3Dトラッキングを行った実例を見ましょう。

MINI: Countryman TV Commercial “Flow” (2010)
このCMでは実際のクルマは一台だけであとはすべてCGで作成されています。そのため、実写の撮影時にトラッキングマーカーを付けて撮影しています。マーカーにしたのはLEDライトです。

メーキング

 

さて、3DTracking = Match Moveが分かってきたところで、次の映像を見てください。

これは、この春休みに学生たちと一緒に作ったグループ制作です。冒頭のマネキンチャレンジのシーンに3Dトラッキングが使われています。

任意のサンプリングポイントにテキストレイヤーを作成しました。

同じフッテージサンプルの映像を用意しましたので、実際にやってみましょう。

データはこちらからダウンロードしてください。

次にもうひとつフッテージを用意しました。こちらもテーブル状に平面レイヤーやテキストレイヤーを配置してみてください。

最後に自分で撮影した素材フッテージを使って3DTrackingをやってみてください。

本日のワークはWORK-02です。

WORK-02

自分で撮影した素材(5秒程度)を使って3DTrackingをおこなう。

そこに”平面レイヤー”、”テキストレイヤー”などを自由に配置する。